ダ・ヴィンチ・コード

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変死体の示す暗号解読からはじまった謎解きが、イエス・キリストとキリスト教の根幹に係る重大な謎に話が及んでいく。その早い展開についていくのに苦労はしたが、総合的に面白かった。ただし、頭の中をいろんな情報が素通りしただけで、実はちゃんと理解できたことは少ないような気がする。

ミステリとアドベンチャーがミックスされたストーリーは、主人公の状況が劣勢と優勢の間を二転三転し、いろいろなアイテムが出てくるところなどは『インディ・ジョーンズ』を思い浮かべた。キリスト教の薀蓄が続いたときは、話はぜんぜん違うのに『薔薇の名前』を思い出し、教会や石像、敬虔な神父と禁欲的な門徒の描写があるたびに、寒々しい、冷たい、言い様のない気持ち悪さを感じた。

『最後の晩餐』の絵の中に描かれたダ・ヴィンチの真意と、それに始まる一連のキリスト教の謎について、登場人物たちが話しを進めていく場面が面白かった。信じる信じないは別として、そういう解釈もあるんだなあと。信者ではない人間の、キリストやキリスト教に対するイメージなどはわりと簡単に塗り替えられるもので、たとえばこの本の言うところが真実だとしても、それはそれでいいんじゃないのと思う。

主人公の宗教象徴学者は、学問的な知識や薀蓄はすごくても、人間的な魅力の少ない人だった。というより、印象が薄い。友人の貴族のほうがよっぽど個性たっぷりで、主人公をくいまくっている。トム・ハンクス主演で映画化されるということだが、その貴族の役は誰がやることになるのか楽しみだ。
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by ksandman | 2004-12-21 23:12 | 本、漫画
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