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「ドラムライン」

ドラマーとしての才能を買われ名門マーチングバンドに入団した主人公デヴォン。しかし、彼の自信過剰で目立ちたがりの態度は、チームワークを重んじる監督や上級生との対立を招くこととなり、ある事件をきっかけに彼はバンドを抜けざるをえなくなる。ところが、ドラムやバンドへの情熱を捨てきれず、紆余曲折を経てデヴォンはメンバーのもとに戻った。チームワークを知った彼が目指すのは、マーチングバンド大会優勝。みんなのために彼はドラムを叩くのだった。

マーチングバンドといえば、音楽は二の次で、軍隊のような動きやフォーメーションを楽しむものだと思っていた。けれど、この映画のなかでマーチングバンドは、フォーメーション以上に音楽や楽器の演奏で楽しませてくれた。特に打楽器は華やかだった。叩く位置、スティックの持ち方、強弱のあるなし、腕や身体の動かし方など、いろいろな変化をつけて目と耳を喜ばせてくれる。きれいなメロディや音色があるわけではないが、打楽器の面白さはこういうところにあるのだろうと思った。

ドラムを一列に並べた形がドラムラインで、二つのチームのドラムラインが向き合って行うドラム対決は圧巻だった。ドラマーは正面を向いたまま、相手チームを睨み据えながら、一糸乱れぬ動きでドラムを叩く。ただ叩くだけじゃなく、ときに自分の腕を左右のドラマーの腕と交差させたり隣のドラムを叩いたり、複雑で細かい動きもリズムに合わせて素早くこなしている。ぴたっと揃った動作とドラムから響く音の迫力にはため息が出た。

ハードな基礎体力づくりやポジション争いを乗り越えて得る晴れ舞台、そこで楽しそうに誇らしげに演奏するバンドマン、青春。映画を見ながら、また昔のようにオーケストラで演奏したいなあと久しぶりに思った。
by ksandman | 2005-01-16 22:46 | 映画
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